不妊治療中の人ははしかと風疹の予防接種をしても大丈夫?

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「はしか」がかなり流行っているみたいですね。
(2019年8月に執筆)

大人が罹ると死亡することもある侮れない病気で、妊娠中に感染すると流産や早産、死産の確立が高まるという、妊活中の人にとってはなんとも恐ろしい病気です。

似たような病気で「風疹」というのも、やはり定期的に流行りますよね。

実は私は、風疹とはしかの違いがよくわからなかったりします・・・

そんな麻しん(はしか)と風疹についてと、不妊治療中の夫婦はどのようなことに気を付けるべきかをまとめてみました。

国立感染症研究所のHPではこれらの病気の発生動向調査を行っているので、お住まいの地域の流行状況は適宜確認しておくと安心です。

「はしか」と「風疹」の違い

まずははしか風疹の違いについてです。

お恥ずかしながら私は、違いがよくわかりませんでした

そういう人、意外と多いと思います。

似たような名前ですが、全く別の病気

ただ、似ている点はあります。

  • ”はしか”も風疹も非常に強い感染力がある
  • 妊娠中の女性が罹ると胎児に影響が出やすい
  • 予防接種を受けることで予防可能

どちらも、一度発症すると免疫ができるため、一生のうちに何度もかかることは基本的には無い病気です。

そのため、適切に予防接種を受けることで高い確率で予防可能です。

はしか 風疹
感染源 ウイルス ウイルス
空気感染 する しない
流行期 冬の終わりから春 冬から初夏
予防接種 二回必要 二回必要
妊娠への影響 40%で流産など 先天性風疹症候群

はしかとは

まず、はしか(麻疹、麻しん)はインフルエンザと同じで、ウィルスで感染する病気

しかし、感染力はインフルエンザの比ではなく、なんと10倍以上も感染力が強いのです。
免疫を持たない人がウィルスに接するとほぼ100%感染するという感染力の強い病気。

”はしか”は、冬の終わりから春にかけて流行ることが多いです。

はしかの予防法 妊婦は予防接種ができない

はしかは飛沫感染だけでなく空気感染もするため、マスクや手洗いだけで完全に予防することはできないそうです。

こんな強力な感染症ですが、近年患者数は200人以下で推移しています。
これは、国が”はしか”対策としてワクチンの予防接種をするようにしたからです。

ただし、予防接種のワクチンは2回受ける必要があります。

1回ですと免疫獲得率は93~95%、2回受ければ97~99%と言われているので、ワクチンを何回受けているか確認してみましょう。

予防接種法では2006年4月から生後12~24か月の間に1回目、小学校入学前の一年間の間に2回目を受けることになっているので、該当しない人は要チェック

ただし、妊娠中の方は予防接種ができず、予防接種後は2か月間は避妊が必要になるので、不妊治療中の場合は、担当医師と相談して予防接種をすることになります。

私自身、1度しか予防接種を受けていなかったので、不妊治療クリニックから指摘されて2度目のワクチンを最近受けました。

ちなみに、”はしか”は子供の病気というイメージがありますが、患者数の半数は大人なんですよ。

はしかに感染するとどうなるか

はしかに感染するとまずは10~12日間の潜伏期間があります。

自覚症状は出ずとも、ウィルスを持っているのでこの期間に出歩いて感染が拡大してしまうやっかいなやつですね。

潜伏期間が終わると風邪に似た症状が出ます。

発熱、せき、鼻水・・・

目の充血や口内に白いぶつぶつができたりします。

熱も39度を超える高熱がでて、全身に発疹が出始めます。

ここまでくると、素人でも”はしか”を疑うんじゃないですかね。

この時は免疫力が非常に低下しており、ほかの感染症や肺炎、中耳炎などの合併症が出ることもあります。合併症の肺炎と脳炎が”はしか”の死因でもっとも多いそうです。

特に重症化しなければ発症から10日もあれば回復し、発疹は黒ずんだ色素沈着となって徐々に消えていくそうです。

妊娠・妊活・不妊治療への影響【流産・早産・死産】

ここまででも十分怖い”はしか”の症状ですが、”はしか”が怖い病気と言われる理由は次です。

妊娠中にはしかに感染すると流産・早産・死産が40%近い確率で起こる

さらに”はしか”患者の10万人に1人程度が亜急性硬化性全脳炎を治癒後数年経ってから発症する。

妊娠中は精神的にも不安定だったりします。

”はしか”の流行は毎年ニュース等にもなるので、妊婦さんがそのことを知って、しらべてみたらワクチン接種をしていない、とかなったら精神衛生上よくないですよね。

妊娠前に抗体を調べることができるので、病院で調べてもらいましょう。

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は微細な神経症状(知的障害、脱力、歩行異常など)が現れ、数か月から数年で神経症状が悪化し(知能・運動障害、体温の不規則な状況、発汗異常など)、数年から十数年で死に至る病です。

こんな怖い病気ですが、ワクチンを2回していればほぼ100%感染しません。

風疹(ふうしん)とは?

風疹(ふうしん)は、”はしか”と混同されがちですが、はしか(麻疹)とは違う病気

似たような漢字を使うので、紛らわしいですよね。
それに、風疹は「三日ばしか」なんて呼ばれていたりもします。

風疹ウィルスというウィルスが原因でなります。

”はしか”が空気感染、接触感染するのに対し、風疹は飛沫感染のみです。

さらに、風疹のウイルスに感染しても20~40%の人は症状がでません。

風疹は冬から初夏にかけて流行ることが多いです。

風疹の予防法 不妊治療中は予防接種は難しい

風疹は飛沫感染なので、”はしか”よりは予防がしやすいと思いきや、そうでもないんです。

まず、ウイルス保持者のうち何割かは症状がでないため、自覚症状はまったく無いまま風疹を広めてしまいます。

風疹のウイルスは非常に小さいため、一般的なマスクでは完全に予防するのは難しいです。

やはり効果的な予防法は、”はしか”と同じく予防接種

”はしか”と同じで罹患すると抗体ができるので、予防接種で予防が可能な病気です。

ただし、妊娠中の方は予防接種ができず、予防接種後は2か月間は避妊が必要になるので、不妊治療中の場合は、担当医師と相談して予防接種をすることになります。

風疹に感染すると?

まず耳の後ろや首などのリンパ節が腫れてきます。

その後、淡いピンク色をした発疹が顔や耳の後ろにあらわれ、熱が出てきます。

1,2日後には発疹が全身に広がり、3日程度で自然に消えますが、発疹が出た部分にかゆみがでます。

子供は比較的軽い症状の場合が多いですが、大人は症状が酷くなる傾向が強く、持続期間も長いです。特に発熱と一緒に関節痛が出ることもあり、インフルエンザと間違えやすいです。

はしかと同じで、だいたい10日もすれば症状は無くなります。

妊娠・妊活・不妊治療への影響【先天性風疹症候群】

風疹もはしか同様、胎児への影響が強く出やすい病気

妊娠初期の女性が風疹にかかると、お腹の中の赤ちゃんが、難聴、心疾患、白内障、発達障害などになってしまう恐れがあります。

先天性風疹症候群と呼ばれるこれらの症状は妊娠3ヶ月以内の妊婦が感染した場合の方が影響が大きくなる傾向があります。

妊娠する可能性のある女性はもちろん、妊婦さんに病気をうつさないためにも、しっかりとワクチンを接種することが大切。

もちろん、不妊治療中の男性は当然受けましょう。

不妊治療中にはしか・風疹の予防接種は受けられるの?

不妊治療中の夫婦は、妊娠を心待ちにしていると思います。

しかし、妊娠してからはしか風疹に罹ってしまうと問題です。

はしか・風疹のワクチンは妊婦さんはできません。

それに、予防接種後は2か月間の避妊が必要になるので、不妊治療中は治療をお休みする必要があります。

ただし、採卵や受精卵凍結は予防接種後の2か月以内でも可能な病院もあります。

不妊治療の合間に予防接種を受けるのはちょっと大変かもしれませんが、ワクチンの接種状況を確認して、万全の状態で妊娠できるようにしましょう。

ワクチンの接種状況がわからなくても、多くのレディースクリニックや総合病院ではしかの抗体検査をしてくれます。

当然、不妊治療の最初に行う血液検査でも診てくれるところがほとんど

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もし、ワクチン未接種の場合は、担当のお医者さんと相談してスケジュールを組むといいでしょう。

万が一はしかや風疹になってしまった場合は?

万が一罹ってしまったときは、基本的には風邪と同じ処置で問題ないそうですが、早めに医療機関を受診しましょう。

特に、身近に妊婦さんが居る場合は早めの対処が求められます。

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