今回は、不妊治療中にする自己注射について
この記事を読んで初めての自己注射に対する不安が少しでも取り除かれればと思います。
自己注射について
不妊治療初期であれば、病院へ行って看護師に注射してもらうことがほとんどだと思います。
しかし、治療が長引くと自己注射を勧めるられます。
読んで字の通り、自分で自分に注射を打つ自己注射
方法としては、自分で自分のお腹に注射するパターンと、夫が妻に注射するパターンがあります。
うちの場合は3回目の体外受精で自己注射を開始しました。
自己注射のメリット
自己注射には、思いつくだけでも以下のようなメリットがあります。
- 通院回数の縮小
- 投薬(注射)時間のフリー化
- 治療費の削減
- 病院の混雑緩和
通院回数の縮小
これは大きなメリット
体外受精などでは連日の注射が必要になる場合がほとんどです。
毎日通院するのは時間的にも相当厳しい
自己注射に切り替えることで、注射のためだけに通院することが無くなり、1回の周期で通院回数を5回くらいは減らせると思います。
投薬(注射)時間を自分で調整できる
不妊治療を受けている側はあまり気づかないかもしれませんが、注射を行う時間というのも結構重要
採卵時には採卵のちょうど何時間前など、投薬する時間を調整することで採卵を行っています。
採卵時に排卵しきってしまっていてはダメですし、まったく排卵が始まっていないと採卵できませんからね。
私の場合は、夜10時くらいに注射するよう指示されることが多かったです。
当然、そんな時間に通院できないので必然的に自己注射になるでしょう。
治療費の削減につながる
注射一回で千円くらい
これが10回になれば1万円
さらに、病院までの交通費や待ち時間も無くなりますね。
病院の混雑緩和につながる
これは、クリニック側のメリット
不妊治療クリニックはいつ行っても混んでいると思いませんか?
日本人カップルの6組に1組が不妊と言われる時代ですからね。
ちょっと注射するだけのために通っていると病院はさらに混んで、待ち時間も長くなります。
注射だけであれば通院せずに済むのであれば、病院の混雑緩和にもつながるでしょう。
というか、激込みの不妊治療クリニックに注射のためだけに通いたくないです
自己注射の体験談
ここからは、自己注射の体験談です。
自己注射に至る経緯
体外受精を始めて2回目の周期に病院から、「毎日注射をする必要があるが、毎日通院するか、それとも自宅で夫が注射するか選んでください。」と言われました。
毎日通院は難しいので、「夫が妻に注射をする」ということで夫婦で相談して決めました。
ほかの不妊治療経験者の話を聞くと、夫が注射なんて絶対にやりたくない、と揉める家庭もあるそうですが、我が家はそんな問題もなく、二人で協力してできていたと思います。
自己注射「エピペン」
エピペンはスズメバチや食物アレルギーなどでアナフィラキシーショックになった場合の緊急対処治療に使用されることもあり、常備している人も多いようで、保育園にもアレルギー用に置いてあるので知っていました。
でも、まさか自分が使うことになるとは・・・
不妊治療で使うのはエピペンではなくゴナールといった自己注射薬が多いらしいですが、やり方はほぼ一緒だと思います。
エピペンを処方されたとき、事前に病院で簡単な講習を受けてますが看護師さんの説明が早くなんとか覚えるので精一杯でした。
それでも、講習を思い出しながら家で自己注射するのはそんなに難しくなかったです。
痛いけど・・・
まずは道具を並べて、手を洗い、毎日同じ時間に注射するので時間を確認
そして、自分のおなかの脂肪をつまんで・・・
針を垂直に刺す
薬剤を入れたら消毒して、ばんそうこうを貼ったらお終いです。
自分のお腹に針を刺すので、とても怖いですが、思ったほど痛みは無かったです。
夫が妻のお尻に注射する体験談
お腹に刺すタイプの自己注射は価格が高いのと、使える薬剤が限られるとかで、次の周期からは夫が刺す注射に切り替えました。
自分でするのとはまた違った恐怖感があります。
夫婦で自己注射の講習を受ける
注射をするにあたって、一度病院で講習があります。
器具の取り扱い方や捨て方、注射針の刺し方や注意点などを聞いて、内容がまとめられている紙をもらいます。
後は、その紙を見ながら、家庭で夫が妻に注射するわけです。
それもお尻に
注射は3~5日連続で、毎日夜10時頃に行うように指示されます。
これは高刺激法や低刺激法などの治療方針でも変わります。
薬は粉末タイプと液状タイプがあって、薬剤によって違います。
病院でもらえるのは・・・
- 薬剤の小瓶(粉末タイプか液体タイプ)
- 触媒水の小瓶(蓋を割る器具とセット)
- 薬剤を吸い取る用の太い注射針(赤)
- 体内への注射用の細い注射針(青)
- 注射器
- 消毒用ガーゼ
- ばんそうこう(よく採血の後に貼られる小さいやつです)
薬剤と触媒水の小瓶はとっても小さい
これらが、必要な日数分もらえます。
ちなみに、これらのゴミはほとんどが医療用廃棄物になるので、自宅で処分せず病院に持って行き処分してもらいましょう。
自己注射の手順を写真付きで解説
いよいよ妻のお尻に注射
講習で教わったことを思い出しながら進めます。
1.道具を並べて手洗い
注射するのは清潔な空間にしましょう。
病院でもらえる道具一式はこんな感じ
2.消毒用ガーゼを半分にちぎる
簡単にちぎれるようになっています。
3.ガーゼの半分で薬剤と触媒水(生理用食塩液)の小瓶を消毒
小瓶はこんな感じで、真ん中の細くなっている部分を消毒します。
4.触媒水の小瓶を専用の器具で割る
プッチンプリンみたいに割れますが、小さいのでこぼさないように。
私はここで中身を全部こぼしたことがあります・・・
カバーを付けてシールの部分を支点にポキっと折る
5.注射器に太い注射針(赤)をセットして触媒水を吸い上げる
生理用食塩水であれば全部吸い取る必要もないですが、一応全部吸ってました。
注射器に針(赤い方)をセットするとこんな感じ
6.そのまま薬剤(粉末)の小瓶に注射して注入
小瓶の蓋がゴム素材になっているのでそこから刺して注入
小瓶の中に先程すった液体を注入して混ぜてから吸い上げます。
7.粉末の薬剤と触媒水を混ぜ合わせる
触媒の水は少量でも十分混ざるようです。
8.混ざった水溶液をすべて吸い上げる
小瓶を逆さまにして吸い上げるとすべて吸い取れます。
薬剤の吸い残しが無いように注意
9.注射器の針を細い注射針(青)に付け替える
細い針(青い方)に付け替えたらいよいよ注射
10.注射器の中の気泡を抜く
注射器を逆さまにしたり、はじいたり、回したりして空気を抜きます。
筋肉注射なので、少しくらい空気が入っても大丈夫だそうですが、なるべく抜きたい・・・
残り半分のガーゼで注射する部位を消毒
刺す場所はお尻の頂点と腰骨を結んだ線を三等分して腰骨に近い部分ですが、正直よくわからないのでなんとなく・・・
12.注射針を根本まで刺して薬剤を注入
針の刺し方は斜め45度が良いらしいですが、素人には難しいので垂直でOKと教わりました。
変に角度などを気にして薬剤が届かない可能性もあるので、勇気を出してほぼ直角でいいでしょう。
針は根元まで完全に刺し切ります。
この時、変な痛みや痺れがないか確認しながら行いましょう。
薬剤を一定の速度で入れた方が痛みは少ないかったです。
13.針を抜いて、止血、ばんそうこうを貼る
ここまでくればもう怖くはない
14.注射部位を揉んで薬剤を広める
薬剤注入後は、しっかりお尻を揉んで薬剤を広めないとすぐにしこりになってしまいます。
しかも、一度しこりになると一か月近く固く残りますし、固くなった部分に注射をするのは痛いので、注射をするのが徐々に大変になってしまいます。
1時間くらいもんでもいいらしいので、暇さえあれば揉みましょう。
私も時間が空いたら揉んでいます。
自己注射の注意点
途中で異変を感じたり、注射後に異常があればすぐに医療機関に相談してください。
不安な人は緊急時の連絡先を聞いておくといいでしょう。
うちの病院では夜間でも連絡できるよう担当医師個人の連絡先を教えてもらえました。
それと、薬剤をこぼしてしまったり、失敗して注射器が足りなくなった時は追加でもらうことができるので、病院に電話して相談しましょう。
自己注射の方法まとめ
- 手洗い
- ガーゼで小瓶の消毒
- 触媒水の小瓶を割る
- 青色(太い)の注射針を注射器にセットして触媒水を吸い取る
- 吸い取った触媒水を薬剤の小瓶に入れて、薬剤を混ぜてから吸いとる
- 注射器内の空気をあらかた抜き、赤色(細い)注射針に付け替える
- ガーゼで刺す部分を消毒する
- 注射する
- 絆創膏を貼る
まとめるとこんな感じ
最初はマニュアルを見ながらやっていましたが、すぐにスムーズにできるようになっちゃいます。
どんだけ揉んでもしこりが残ってくるので、注射をする場所は適宜変えながらやっていきましょう。
我が家はなぜか左のお尻より右のほうが上手に注射できます。
医療関係者でもないのに、人に注射をするのはちょっと怖いですよね。
自己注射のやり方はこちらのクリニックのサイトに動画付きで解説があります。
まとめ
不妊治療は夫婦で同じ目的のために協力して進めていく治療
自己注射は夫婦で協力しないとできない治療ですので、怖がらずに旦那さんが協力してあげてくださいね。
自分でやるとうまくできない場合もありますし、使える薬剤に限りが出る場合もあります。
自己注射は不妊治療をする上では乗り越えなくてはいけないことですので、頑張りましょう。
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