神奈川県横浜市は日本で二番目の人口を持つ大都市で、18の行政区がある政令指定都市です。
市町村としては日本で1番の人口を誇ります。
日本一の人口を持つ市町村である横浜市で不妊治療を受ける人の参考になるように、横浜市内の病院を調べて比較してみました。
横浜市で特定不妊治療費助成金を受けるには
政令指定都市で不妊治療の助成金を受ける場合は、その手続きは都道府県ではなくて、政令指定都市にすることになります。
横浜市の助成金を受けるためには、夫婦いずれかが横浜市内に住所があることが条件
ちなみに、横浜市内に住んでいる方が横浜市外の指定医療機関で治療を受ける場合も、市内の指定医療機関と見なすことができるので、助成金を受けることができます。
2022年より不妊治療が保険適用となりました。
不妊治療費用比較の条件
比較するにあたって、条件を統一しました。
- 不妊治療の助成金が受けられる特定不妊治療助成事業指定医療機関であるこ
- 費用については、初診の顕微授精(ICSI)の費用を比較対象とした
- 胚盤胞や凍結胚の移植ではなく、初期胚移植の費用を比較対象とした
- 初回診察、採卵1個の場合で積算した
以上の条件で、金額を算出し、不妊治療の治療費を比較しました。
顕微授精ではない、普通の体外受精(IVF)の場合は5万円くらい安くなると思ってもらえれば問題ないと思います。
※2022年4月から不妊治療の保険適用が始まり特定不妊治療助成事業はなくなりましたが、病院比較の条件として旧助成事業の指定医療機関であったことを条件としています。
横浜市で一番不妊治療が安い病院は?
横浜市には不妊治療費助成を受けるための指定医療機関が18あります。
今回は、その18の不妊治療クリニックについて徹底比較
田園都市レディースクリニック
住所 青葉区あざみ野1-5-1
電話 045-905-5524
2000年開院の田園都市レディースクリニックです。
田園都市線と横浜市営地下鉄ブルーラインの乗換駅である「あざみの駅」の近くにあります。
横浜市内でも不妊治療の取り扱いが長く、25,000名以上の妊娠実績があります。
治療に関しても、体外受精、顕微授精、凍結胚移植と高度生殖医療を取り扱い、特筆すべきは、休診日無しで日曜・祝日でも採卵、肺移植を実施してくれる点ではないでしょうか。
病院が開いてない時間に排卵してしまって、採卵ができなかったということもあるので、毎日診察をやっているのはありがたいですね。
男性不妊に対しても力を入れていて、男性不妊症の専門医がいて、男性専用フロアがあるほどです。
2019年5月に拡張移転したあざみ野の本院と、二子玉川と青葉台にも分院があり、連携して対応してくれます。
気になる治療費は人工授精で18,500円、自然周期の体外受精で180,000円、刺激法による体外受精で230,000円です。
3回目の体外受精から4万円減額、5回目の体外受精では、さらに4万円減額となるなど、費用面でも安いと言えるでしょう。
ただし、人気の病院なだけあって混雑しているようです。
新しく、キレイなクリニックである点も好評化
神奈川レディースクリニック
住所 神奈川区西神奈川1-11-5ARTVISTA横浜ビル6F
電話 045-290-8666
新横浜母と子の病院で不妊・不育・IVF(体外受精)センター長を務めた院長先生がいる神奈川レディースクリニック
タイミング法の指導から人工授精、体外受精はもちろん、卵管閉塞や卵管狭窄により不妊となっている患者のための卵管鏡下卵管形成術(FT)も実施するなど、高い技術力のあるクリニックです。
不育症に対する経験が豊富で、流産を繰り返す習慣流産の治療などの実績があり、流産を繰り返してしまう人は受診する価値はあると思います。
人工授精で20,000円から、体外受精は25万円程度のようです。
知識が豊富な先生ですが、ややドライな対応の時もあるようで、人によっては合わないみたいです。
菊名西口医院
住所 港北区篠原北1-3-33
電話 045-401-6444
東急東横線の菊名駅前にある菊名西口医院です。
治療方針としては極力自然妊娠を目指すということで、焦らずやっているようです。
排卵誘発剤やホルモン補充療法を用いて、妊娠率を高めていきます。
基本的にはタイミング法6回、人工授精6回を行い、その後、体外受精等へのステップアップを図るみたいです。
患者の意向を尊重して、急かすことなく対応してくれるので、いきなり高度生殖医療ではなく、まずはじっくりやっていきたい夫婦にはぴったりだと思います。
年間650人の患者が受診して、自然妊娠で60%近くが妊娠
また、特徴としてはピンクゼリー/グリーンゼリー法、リン酸カルシウム法などの男女産み分け指導も行っており、実際80%の夫婦が希望の性別児を得ているそうです。
人工授精が20,000円、体外受精が300,000円
治療を個々のペースで進めてくれることに対して口コミの評価が高いようです。
また、妊娠後の妊婦健診や小児健診も行ってくれるので、長くお世話になれることも好評化
アモルクリニック
住所 港北区新横浜3-20-3リバサイドビル7階
電話 045-475-1000
新横浜駅徒歩5分のアモルクリニック婦人科
院内にキッズスペースがあるなど、女性医師がいて、女性目線で通いやすいクリニック
不妊検査から顕微授精まで、一通りの不妊治療には対応しています。
不妊治療以外にも、アフターピルの処方や、ブライダル健診もやっているほか、更年期障害やアンチエイジング、美容に効果があると言われるプラセンタ療法をやっています。
曜日によっては19時までという遅めの時間までやっているのもありがたいですね。
費用については人工授精が19,000円
体外受精では250,000円程度でしょうか。
院長先生は不妊治療に携わって30年という経験豊富な方ですが、年配で近所のおじいちゃんのような印象で、いい雰囲気で治療を受けている方が多いみたいです。
医療方針産育会 堀病院
住所 瀬谷区二ツ橋町292
電話 045-391-2561
産婦人科と小児科もある比較的大きな病院の堀病院
「ガイアの夜明け」や映画「抱きしめたい」などのロケ地としても使われています。
最寄駅は相鉄線の三ツ境駅ですが、弥生台駅といずみ中央駅と立場駅から往復の送迎バスも出ています。
駐車場も78台あり、アクセスで難を感じることはないでしょう。
婦人科全般、小児科も取り扱っており、分娩で利用している人も多いみたいです。
不妊治療についてはあまり情報がなかったので、どこまで治療をやっているかは不明ですが、ブライダルチェックなどは実施しているので、これから不妊治療に取り組む人は一度相談してみるといいかもしれません。
福田ウイメンズクリニック
住所 戸塚区品濃町549-2三宅ビル7F
電話 045-825-5525
JR東戸塚駅東口にある福田ウィメンズクリニックです。
平成30年10月により駅の近くに移転し、綺麗になっています。
不妊症専門クリニックで、顕微授精までの高度不妊治療を行っています。
また、すべての検査・治療をアメリカのカリフォルニア大学産婦人科へ留学経験のある院長が行う、プライベートクリニックを掲げています。
より妊娠率を高めるために、胚盤胞移植やアシステッド・ハッチング(孵化補助)、二段階肺移植などを行い、全国平均を上回る妊娠成功率を誇ります。
人工授精は16,000円、体外受精は300,000円ですが、2回目以降の体外受精は50,000円の割引があります。
診察時間は午後6時までと短いですが、土曜日もやっているのはありがたいですね。
不妊治療で有名な先生ですが、その分人気も高く、待ち時間が長いそうです。
公立大学法人 横浜市立大学付属市民総合医療センター
住所 南区浦舟町4-57
電話 045-261-5656
阪東橋駅の近くにある横浜市立の総合病院、横浜市立大学付属市民総合医療センター
大きな総合病院で、不妊治療以外にも婦人科や小児科、泌尿器科、女性医師による女性外来も行っています。
子宮内膜症や不妊症に対する腹腔鏡下手術を行うなど、一般のクリニックでは対応できない治療も取り扱えます。
CMポートクリニック
住所 都筑区茅ヶ崎中央50-17
電話 045-948-3761
横浜市営地下鉄のセンター南駅からすぐにある、CMポートクリニック
不妊治療・高度生殖医療を専門としたクリニックで、フレンドリーアートを目指しているそうです。
体外受精はもちろん、顕微授精や精子凍結、精巣精子採手法まで、一通りの治療は実施しています。
なるべく自然な形で受精できるよう体外受精での受精方法はIVF(精子を卵子に振りかける方法)を行っているのですが、授精障害を回避するため、IVFを行ったすべての卵を5~7時間後に観察して、授精していなければ顕微授精(ICSI,直接精子を卵子に注入する)を実施するレスキューICSIという手法をとっています。
精子の卵子内への侵入を判断するのは難しいらしく、それだけ高度な技術を持っているクリニック
院長先生がツイッターで質問にQ&Aに回答するなど、情報発信にも力を入れています。
人工授精で17,260円、体外受精では初回が148,000円+卵1個に付き10,000円、2回目以降の体外受精は35,000円の割引のようです。
東條ウイメンズホスピタル
住所 港南区丸山台2-34-7
電話 045-843-1121
産科と婦人科のある東條ウィメンズホスピタルは小児科まで取り扱っています。横浜市営地下鉄の上永谷駅より徒歩10分の立地です。
シャトルバスの運航もしてくれているようです。
診察時間も18時までですので、不妊治療で通うよりは分娩や小児科で来る人の方が多いかもしれません。
不妊治療専門のクリニックとして分院があり、不妊治療を受ける場合はこちらが主になります。(下記の東條ARTクリニック)
済生会 横浜市東部病院
住所 鶴見区下末吉3-6-1
電話 045-576-3000
横浜市東部病院は国道一号線と鶴見川が交わる場所にある、救急科があるような総合病院です。
みなとみらい夢クリニック
住所 西区みなとみらい3-6-3MMパークビル2F
電話 045-228-3131
みなとみらい駅の駅前にあるアクセス抜群のクリニックのみなとみらい夢クリニック
WEBシステムを導入していて、初診の方の問診から再診の予約までオンライン上でできるのはとっても便利
治療に関する説明会はもちろん、ホルモンコーディネーターによる勉強会なども開催していて、治療について患者に知ってもらおうという考えが伝わってきます。
体外受精費用は345,600円
多嚢胞性卵巣症候群など難しい病気でも妊娠に至っている人が多いようでした。
馬車道レディスクリニック
住所 中区相生町4-65-3馬車道メディカルスクエア5F
電話 045-228-1680
2001年から不妊症専門クリニックとして開院している馬車道レディスクリニック
院長先生は大学病院で15年にわたる経験があり、不妊症の悩みや不安を解消し、妊娠への手助けをするために地元横浜で開院したそうです。
経膣超音波(エコー)を使用し、膣側から子宮の超音波画像を確認しながら胚移植を行う、経膣超音波ガイド下胚移植を行っています。
これは、実施施設は少ないですが、身体への負担も少なく、通常の経腹超音波下に比べ子宮の形状と把握しやすく、移植する胚を適切な位置に移植できるため、妊娠率が良いそうです。
体外受精の費用は260,000円
産婦人科クリニックさくら
住所 青葉区新石川2-9-3
電話 045-911-9936
たまプラーザ駅徒歩2分の産婦人科クリニックさくら
産婦人科なので、不妊治療以外も取り扱っていますが、院長先生は不妊治療専門のスペシャリストで、不妊治療に特化した病院です。
不妊治療、婦人科共に毎日女性医師がいる体制をとっており、女性医師に診察してもらいたい人にはありがたいと思います。
クリニック名のさくらは「SACRA」から来ており、ラテン語で「聖地」を意味するそうです。
体外受精は250,000円程度でしょうか。
治療で使用する薬の値段も明記されているのは親切ですね。
東條ARTクリニック
住所 港南区上大岡東1-12-13
電話 045-841-0501
東條ARTクリニックは、東條ウィメンズホスピタルの不妊治療専門の分院になります。
横浜HARTクリニック
住所 神奈川区鶴屋町3-32-13第2安田ビル7階
電話 045-620-5731
横浜駅近くという好立地の横浜HARTクリニック
2014年7月開業ということで、比較的新しい病院です。
患者数が多くなり過ぎないように、人工授精以上の治療を希望する方のみしか初診は受け付けていないようです。
東京大学を卒業後、アメリカ、イギリス、オーストラリアで生殖医療に携わった経歴のある院長先生で、研究論文も積極的に出すなど、精力的に活動しています。
病院の実績をホームページで公開しており、例えば2017年の体外受精IVFでの妊娠率は37%、顕微授精ICSIでは41%と、日本国内の平均15%を大きく上回っています。
人工授精費用は20,000円、体外受精費用は400,000円とやや高め
人気なだけに待ち時間は長そうです。
なかむらアートクリニック
住所 港北区新横浜2-5-14WISE NEXT新横浜9F
電話 045-534-6534
自然周期、低刺激法の体外受精を主に取り扱っているなかむらアートクリニック
体外受精は215,000円プラス成功報酬と、成功報酬型の料金体系を取っているクリニック
コシ産婦人科
住所 神奈川区白楽71-8
電話 045-432-2525
東急東横線の東白楽駅、白楽駅にあるコシ産婦人科
昭和32年から続く歴史ある医院で、東京女子医大卒の女性が開業したクリニックです。
現在は、開業者の娘が引き継いで二代目
婦人科、産科もあるクリニックで、平成30年より不妊治療専門部署ということで東海大学の高度不妊治療に携わっていた先生を招へいし、リプロダクション部門を新設しています。
体外受精で283,000円
メディカルパーク横浜
住所 中区桜木町1-1-8日石横浜ビル4階
電話 045-232-4741
メディカルパーク横浜は、JR桜木町駅から徒歩3分の好立地のクリニックです。
駅近の立地で最終受付も18時半と、仕事帰りにも十分通うことができるでしょう。
体外受精の料金は20万円以下となるかもしれませんが、採卵数によって料金が変わる料金形態です。
横浜市で最も不妊治療費用が安いクリニックは 「CMポートクリニック」
横浜でもっとも不妊治療が安いのは「CMポートクリニック」
料金が公開されていない病院もありますが、公開されている病院の体外受精(自然周期、採卵数1)の場合の料金を比べた時に最安値となったのは「CMポートクリニック」でした。
なんと15万8000円
治療の内容によって、使用する薬剤が違ったり、採卵数によって料金が変わる病院もおおいので一概には言えませんが、CMポートクリニックは安いと言えるでしょう。
横浜市で一番不妊治療が安い病院を調べてみて
妊活夫婦にとって、目的は赤ちゃんを産むこと
治療費が安かったり、待ち時間が短い病院に通うことではありません。
今回の条件で一番治療費が安かったのは「CMポートクリニック」でしたが、トータル的に考えて、おすすめできそうなのが、「田園都市レディースクリニック」「横浜HARTクリニック」
もちろん「CMポートクリニック」も、価格が安いですし、レスキューICSIなど妊娠率を高める独自の取組を実施するなど、妊娠するためにどうすればよいか考えながら治療してくれる病院ですので、おすすめです。
田園都市レディースクリニックは横浜市で抜群の実績があり、乗換駅の近くでアクセスも悪くありません。費用についても一般的か、やや安めとバランスの良い病院です。
横浜HARTクリニックは、海外での治療経験も豊富な先生がいて、妊娠実績も公表しているクリニックです。全国平均を上回る妊娠率があり、妊娠にはもっとも近いかもしれません。費用は高めですが、横浜駅という仕事帰りにも寄りやすい立地なのもポイントです。
まとめ
横浜市には18のクリニックがありますが、駅で見ると一駅に複数の病院がある駅はありませんでした。
横浜市は広いので、病院が点在しているようです。
それぞれの病院の特徴もありますが、まずは通いやすい病院からスタートするのがいいかもしれませんね。
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