看護師として働きながら不妊治療を続けるためには


日本では昔から看護師不足が嘆かれており、平成4年には「看護師等の人材確保の促進に関する法
律」(人確法)が施行されました。

こういった背景もあり、看護師数は年々増加し、今では100万人を超える人数が看護師として働いて
います。平成のはじめには40万人程度だったことを考えると、ものすごい増加率です。

男女比としては男性看護師も増えているものの、まだ13%程度で女性が多い職業の代表でもありま
す。

参考:看護職員の現状と推移

医療に従事する看護師という仕事ですが、忙しいというイメージもあり、不妊治療と看護の仕事の
両立は可能なのでしょうか?

看護師をしながら不妊治療をするのは難しい

看護師は夜勤もある職場で、体力のいる職業です。

看護師の退職理由の1位が妊娠・出産となっていることからも、不妊治療をしながら仕事を続け
るのは難しいでしょう。

避けられない夜勤

病棟勤務であれば夜勤があることが多いです。

診療科にもよりますが、どこも人手が足りない状態で、一人でも抜けると夜勤が回らなくなってし
まうような職場が多いです。

近年は、看護補助者が夜勤の補助として入る場合が多いですが、看護補助者は医療行為ができず、
重症な患者を任せることはできません。結果、看護師に掛かる負担も多くなり、不妊治療の時は夜
勤を交代してもらうことや、免除してもらうことが難しいと言えます。

日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査」(2017)によると「妊娠時の状況について
では切迫流産が30.5%、流産が10%になり前回調査時より増えています。
逆に、妊娠時の母性保護の支援措置では夜勤・当直の免除が49.9%であるものの、前回調査では65.5%でかなり減っています。

妊娠しても約半数の看護師が夜勤を免除してもらえず、結果、40%の看護師の方が流産していることになります。

また、夜勤による不規則な生活はホルモンバランスの乱れなどにつながり、妊娠しやすい身体つく
りとは逆行してしまいます。なるべく太陽の光を浴びたり、規則的な食事をとるなど、夜勤でも身
体に影響が少ないように工夫しましょう。

 

夜勤をうまく活用して通院する

不妊治療において夜勤はマイナスと考えられがちですが、夜勤があるということは、昼間の休みが
あるということです。

シフトの調整がうまくできるのであれば、通院日を夜勤明けにすることで、通院しやすくなります。

しかし、不妊治療の通院は事前に予測することが難しく、よほどシフトの融通が利く職場でない限
り難しいかもしれません。

 

看護師は休暇はとりやすいか

看護師の休暇は職場によってかなりのばらつきがあります。

ある病院では年間休日80日程度だったり、あるクリニックでは年間休日130日だったりと、ほんとうに様々。

有給消化率100%をうたっていてももらえる有給休暇が少なかったりと各職場でバラつきがあるので、一概には休みやすいとも休みにくいとも言えないでしょう。

 

休暇が取りやすい看護師の職場は?

ナースというと病院で働いているイメージですね。
やはり、看護師の職場は病院が一般的ですが、実は様々な職場がります。
それぞれ特徴があり、休暇の取りやすさも違います。

【外来病棟やクリニック】

基本的には夜勤は無いので、身体には優しいかもしれません。
外来休診日が休みになるので、休みの計画が立てやすいことから不妊治療をするには向いている
しょう。急患が入って、病院に行けなくなったなんてことも。

【交代制シフトの職場】

夜勤のある病棟ではシフト制がほとんどです。
土日祝日やゴールデンウィークなども関係ない場合がほとんど。
シフト次第で休みの日が変わるので、不妊治療を続けるのは難しいかもしれません。
シフトの調整がうまくできるのであれば、逆に通院しやすいですが、難しいでしょう。

【検診センターや献血ルーム】

日勤のみで、休みの日も固定の場合が多いです。
比較的ハードな仕事ではなく、ルーティンワークが多いので、休みも取りやすい場合が多いです。
ただし、一般的な病院勤務に比べ給料は安い場合が多いので、高額な費用が掛かる体外受精などを
行う場合は、経済的に厳しいかもしれません。

【保育園や学校での仕事】

こちらも日勤のみで、休みの日も固定の場合がほとんど。
検診センターと一緒で給料は安いことが多いので、治療費の工面に苦労するかもしれません。

また、少人数で職場を回している場合がほとんどなので、いつでも有給がとれるかは微妙なところ。職場の同僚との距離も近く、相性が悪いと治療で休む度にストレスになりそうです。

それから、職場に常に子供がいることから、不妊に悩んでいる不妊治療中の女性には辛いかもしれ
ません。気にならない人なら比較的不妊治療はしやすい職場と言えるでしょう。

看護師を続けながら不妊治療をする人へのサポート

残念ながら不妊治療を続ける看護師へのサポートはほとんどありません。

現状は、職場の管理者や同僚へ治療を打ち明けて、協力してもらうか、自身で転職するなどしか対
策が無い状態です。
看護職場は女性が多く、ほかにも妊娠を望む女性がいる場合などは、自分だけ特別扱いしてもらうことも難しく、不妊治療と看護の仕事の両立には苦労するでしょう。

ただ、妊娠した看護師へは、短時間勤務の導入や夜勤の免除などを行っている病院も増えてきてお
り、今後は働く女性へのサポートがもっと充実するかもしれません。

一般的な病棟勤務であれば、短期的な不妊治療ならともかく、複数年にわたる不妊治療は難しいで
しょう。
本格的な不妊治療を受ける場合は病院勤務から検診センターなどへ転職するか、一度、治療は受けずに貯金を貯めて、退職して治療に専念するのもありではないでしょうか。
幸い、看護師不足は今後も社会の課題であり続けると思いますので、再就職にも困らないのが、看
護師の強みでもあります。

 

不妊治療に対する看護師としての強み

まずは、再就職のしやすさです。

日本全国どこでも就職先はあり、比較的すぐに再就職できることでしょう。
この強みを活かして、一度退職して治療に専念してみるのもありかもしれません。

次に、看護師としての医療の知識。

高度生殖医療を受ける際も、自身の身体をしっかりと見つめなおすことができるかもしれません。
自己注射などもハードルが低いと思います。

最後に、収入面です。

病院勤務の場合は年齢に対して多くの収入を得ることができます。
不妊治療では多くのお金が必要になることがほとんどですので、若いうちから貯えを作るなど、治療を受けやすい環境を整えることが可能です。

 

まとめ

夜勤もあり、イメージ通り常に忙しい職場の看護職場ではやはり、不妊治療を続けるのは難しそう
です。しかし、看護師ならではの強みもあるので、治療のステージに合わせて、うまく対応するこ
とで自分なりの仕事と治療の両立ができると思います。

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