ハゲと妊娠は関係あった? 男性不妊と薄毛
不妊症と禿げ
どちらも、ホルモンの影響が大きいことが明らかになっています。
すると、それぞれについて関係はあるのか、という疑問が湧くのですが、調べてみました。
ハゲている男性は男性不妊になりにくいのか?
近年AGA(男性型脱毛症)が話題になっており、テレビCMなども目立つようになってきました。
男性ホルモンが多いとハゲやすいという話を聞きいたことがある人は多いと思いますが、男性ホルモンは不妊にも深いかかわりがありそう。
ということは、禿げている男性は男性不妊になりにくい?
少し詳しく見て行きたいと思います。
薄毛と男性ホルモンの関係 男性ホルモンが多いと男性型脱毛症に
男性ホルモンのメインは「テストステロン」という物質
これは、筋肉を発達させたり、体毛を増やしたりする効果がありますが、薄毛や脱毛を促すという性質もあり、男性型脱毛症(AGA)の方はテストステロンの値が高い傾向にあります。
この男性ホルモンですが、睾丸で多くが作られており、では睾丸を取ってしまおうという恐ろしい実験をしています。
ハミルトンの実験という実験で、去勢された男性とハゲの関係を調べています。
結果は・・・
- 睾丸を摘出した人はハゲない
- ハゲが進行中の人の睾丸を摘出したらハゲが進行しない
- 2のハゲが進行しなくなった人に男性ホルモンを注射したら再びハゲる
- もともとハゲてなかった人は、睾丸を摘出後、男性ホルモンを注射してもハゲない
この結果、男性ホルモンはハゲの要因の一つではありますが、5から、男性ホルモンだけの要因ではないことがわかりました。
ハミルトンの実験
性欲と男性ホルモンの関係
性欲が強い人は男性ホルモンが多いと言われていますね。
すると、男性ホルモンが多い人=薄毛になりやすい=性欲が強い=子供ができやすいと言えるのでしょうか?
しかし、性欲と男性ホルモンの関係は実はそんなに関係なく、極端に男性ホルモンが多かったり少なかったりしない場合、性欲にはあまり関連しないそうです。
ただし、個人内での性欲の変化に関しては男性ホルモンが影響しており、男性ホルモンが出ないように去勢してしまうと、性衝動が少なくなることはわかっています。
男性ホルモンは性欲に関係はあるが、男性ホルモンが多いか少ないかはあまり個人の性欲の強さには関係ないようです。
男性不妊と男性ホルモンの関係
では、不妊症と男性ホルモンの関係を見て行きましょう。
WHO(世界保健機構)の調査によると不妊の原因が男性のみにあるカップルは24%、男女共に原因があるカップルは24%となっており、不妊の原因の約半数は男性にも原因があることがわかっています。
主な原因は、染色体異常、精索静脈瘤、停留精巣、性感染症などにより精子の数が無いもしくは少ないことです。
染色体異常の原因でもっとも多いのはクラインフェルター症候群で、この場合男性ホルモンであるテストステロンが低下しているという症状があります。
その結果、筋力低下、乳房の女性化、睾丸の委縮、性欲低下などがでることもあるそうです。
男性不妊原因でかなりの割合を占める精索静脈瘤(精巣静脈瘤)も、症状として男性ホルモンの低下が現れます。
このように、男性ホルモンが少ない人は不妊になる訳ではありませんが、男性不妊の原因となる病状の人は病気の影響で男性ホルモンが少なくなることがあると言えるでしょう。
また、精子の質の低下による不妊症も近年は増えていますが、加齢による質や量の低下の場合、35歳を過ぎると症状が目立つようになります。このくらいの年齢になると、男性ホルモンの生産量も落ちてきます。
ハゲ(薄毛)と男性不妊は関係ないが・・・
ハゲの原因が男性ホルモンだけではない上、性欲と男性ホルモンの関係も薄い。
不妊の原因となる病気の影響で男性ホルモンが少なくなることはあっても、男性ホルモンが少ないからといって病気になる訳ではない。
ここまでまとめると薄毛と男性不妊にはあまり関係がなさそうに見えますが、実は、一点だけ注意点があります。
薄毛の治療薬、育毛剤で不妊症になる
ハミルトンの実験でもわかるように、男性ホルモンをなくせば薄毛は進行しなくなります。
このことを活かして、育毛剤、ハゲ薬では男性ホルモンの作用を抑える薬があります。
こういった薬には、精子濃度の減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常などを引き起こす影響があります。
有名なものは「プロペシア」という薬ですが、その他の薄毛予防の薬にもホルモンに影響を与える物質が入っている場合があるので、妊活中の人は注意したほうがいいです。
その他にも、動脈硬化などの予防薬の抗コレステロール剤、皮膚病の薬である「チガソン」、潰瘍性大腸炎に使う「ザラゾピリン」など、精子への影響がある薬は意外とあります。
まとめ
結論から言うと薄毛、ハゲと男性不妊症は関係がありません。
むしろ、男性不妊症の原因である病気になると男性ホルモンがかなり低下する場合があり、その場合はハゲが進行しないので、薄毛じゃない人の方が関係があると言えるかもしれません。
もちろん、薄毛や男性不妊の原因は様々で、男性ホルモンだけでなく様々なものから影響を受けてなっています。薬にだけ注意して、あまり気にすることなくそれぞれの治療を進めればいいと思います。
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