もうすぐクリスマスですね。
クリスマスの定番食材と言えば鶏肉ではないでしょうか?
ローストチキンやフライドチキンなど、鶏肉を使った料理を食べる人も多いと思います。
そんな鶏肉ですが、妊活には意外と関係があるって知っていましたか?
クリスマスチキンを食べると不妊症になる?
妊活には様々なジンクスがあります。

そんなジンクスの中でも「クリスマスチキンを食べると不妊症になる」という話は聞いた事がありますか?
ジンクスの由来は?
クリスマスチキンを食べると不妊症になるというジンクスの由来は、どうやら鶏肉に使用されている薬剤が不妊に繋がるということみたいです。
つまり、クリスマスチキンに限らず、チキン(鶏肉)を食べると妊娠には良く無いということですね。
なぜ鶏肉に薬剤を使用するの?
鶏肉に使われる薬剤は一般的に「成長ホルモン」と「抗生物質」
成長ホルモンは、畜肉となる動物や鳥の成長を早め、効率よく飼育するために使用します。
以前は、肉牛の出荷まで約3年かかりましたが、成長ホルモンを投与することで15週間まで短縮されるそうです。
抗生物質は、家畜の病気のリスクを減らすことで、安定的に出荷できるようになります。
こういった工夫がなされることで、私たちの食卓に安くておいしいお肉が安定的に提供されているんですね。
このうち、「成長ホルモンが妊娠を妨げるのでは?」と噂されています。
安い海外輸入の鶏肉は大量の薬剤を使っている?
鶏肉というと、ブラジルや中国などからの輸入も多いです。
しかし、各国政府のガイドラインがあり、適合していないと輸出はできません。
日本のスーパーで売られている輸入鶏肉も当然基準に適合しています。
例えば、ブラジルでは鶏に成長ホルモンの入った飼料を与えることを禁止しています。
各国が基準を設けて安全な飼育を行っていますが、海外の品質管理がどうしても信頼できない人は国産鶏を購入するしかないでしょう。
どんな鶏肉でも薬剤が使用されているの?
薬剤の使用されていない無薬飼育の鶏肉もありますが、価格は高いです。
また、各地の銘柄鶏なども薬剤の使用を抑えて飼育されていることがほとんどです。
では、それ以外の鶏はどうでしょうか?
妊娠を阻害するとして最も危険視されているのがブロイラーという鶏です。
みなさんもスーパーなどで見かけたことがあるんじゃないでしょうか?
ブロイラーという種類の鶏は、もともと短期生産を目的として作られた鶏の品種です。
通常の鶏が出荷されるまでに5か月程度必要なのに対し、ブロイラー(若鶏と表記されることもある)の場合、40日程度で出荷されます。
なんと約4倍の早さで成長していますね。
「これは大量の薬剤が使用されているのでは?」そういった不安から鶏肉を食べると不妊になるというジンクスが生まれたようです。
しかし、ブロイラーが早く成長するのは、そういう品種だからであり、早く成長させるために成長ホルモンなどを用いて飼育しているからではありません。
ただし、国や地域によっては成長ホルモンや抗生物質を使って飼育している場合もあるかもしれません。
人体と飼料薬剤の関係
鶏の飼育段階で投与された「成長ホルモン」は、人間の体内に取り込まれると子宮体がんや乳がんなどのホルモン依存性がんの発生増加やアレルギー、子宮内膜症、不妊症、発達障害などのリスクが高まると、「日本癌治療学会」で北海道大学の半田康医師が発表しています。
しかし、因果関係までははっきりとしておらず、直接の関係性までは不明
鶏肉からエストロゲンが検出された
不妊治療を行っている人はエストロゲンという女性ホルモンを聞いたことがあると思いますが、鶏肉からエストロゲンが検出された、というニュースも出ています。
鶏肉と豚肉からエストロゲンが検出されたという日刊ゲンダイの記事
海外でのニュースですが、実際に鶏肉からエストロゲンが検出されているようです。
エストロゲンは牛の飼育においてアメリカなどの海外で使用することはあるようですが、ブロイラー飼育においてはあまり使わないそうですので、なぜエストロゲンが検出されたのかはちょっと不思議ですね。
鶏肉と抗生物質
使用を禁止されていることが多い成長ホルモンに対し、抗生物質は日本やブラジルでもガイドラインに沿った適切な使用は認められています。
ガイドライン通りであれば、人の口に入るまでにすべて消化されるそうですが、抗生物質のエンロフロキサシンが食肉に基準を上回る量が残留していたという報告もあります。
抗生物質は病原菌をやっつけるなど、薬としての使用でなじみが深いですが、常在菌もやっつけてしまうので、健康体で採り続けると逆に病気になってしまったり、抗生物質が効かない菌が生まれてしまうこともあります。
まとめ クリスマスチキンを食べても不妊にはならない
鶏肉は価格も安く、調理しやすいので食卓に取り入れやすいです。
前述した成長ホルモンや抗生物質の問題は懸念されますが、鶏肉自体は良質なたんぱく質が多く、ビタミンB6や抗酸化成分も多く含まれていて、妊活にはぴったりの妊活食材です。
ヘルシーですしね。
さらに、アメリカ・ハーバード大学T.H.チャン攻守衛星学部の研究によると、鶏肉を多く摂取している男性は、少ない男性よりも受精卵ができる確率が13%も高かったという結果もあります。

結局は食品偽装や品質管理の問題
鶏肉から成長ホルモンや抗生物質が出てきたというニュースは世界各国であります。
しかし、現状の基準ではほとんどの国で成長ホルモンの使用を禁止していたり、抗生物質の使用を制限しています。
日本もそうです。
そのため、食肉からこういった物質が検出されるというのは、なんらかのミスがあったか、違法に薬剤を使用していたということではないでしょうか。
鶏肉自体に不妊になる原因がある訳ではないので「クリスマスチキンを食べても不妊症になる」ということはあり得ません。
誤解しないようにバランスの良い食生活を心掛けましょう。
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