最近よく聞くプラセンタ
何かと話題になりますが、不妊治療や妊活の現場でもよく耳にします。
そんなプラセンタについて、ほんとうに妊娠しやすくなるのか、効果を調べてみました。
プラセンタとは?
プラセンタとは胎盤抽出物で、プラセンタエキスとも言います。
胎盤は妊娠した時に作られる新たな臓器で、哺乳類だけでみられるものです。
もちろん、人間も妊娠したら胎盤が作られます。
胎盤の役割は、お母さんの血液・酸素・栄養を赤ちゃんに供給することで、胎盤の中央から出る臍帯(さいたい・へその緒)で赤ちゃんとつながっています。
また、栄養などを送るだけでなく、胎児から出た二酸化炭素などを受け取る役目もあるのです。
受精卵が子宮内膜に着床すると、そこから分泌されたホルモンによって作られ、妊娠15週目くらいに完成します。
そして、出産のときに赤ちゃんと一緒に出てきます。
この胎盤のエキスをサプリにしたものがプラセンタなんです。
プラセンタでは色々な動物の胎盤が使われる
日本でサプリメントや化粧品として使用されるプラセンタは豚や馬の胎盤であることが多いです。
以前は、牛の胎盤も使われていたそうですが、BSE(牛海綿状脳症・狂牛病)が確認され、それ以来安全性の観点から、牛以外の家畜の胎盤が使用されています。
また、1990年代には人の胎盤エキスも使用されていたそうですが、2003年に法改正があり、ヒト組織由来の製品を使う場合には記録保管が義務となり、診療を伴う医薬品以外では人ではなく家畜の胎盤が使われるようになりました。
また、動物の胎盤以外の魚の卵巣膜や植物の胎座の抽出成分を使用した健康食品や化粧品もあり、マリンプラセンタや植物性プラセンタと呼ばれるが、厳密にはプラセンタとは違います。
プラセンタの妊活への効果
プラセンタは本当に妊活にも効果があるのでしょうか。
女性ホルモンが増加し卵巣機能も改善
プラセンタは、もともと更年期障害や肝臓機能低下の治療薬でしたが、実は現在でもその効果ははっきりとしていません。
韓国の研究でプラセンタを使用した人を調査したところ、女性ホルモンのエストロゲンを形成するエストラジオール(E2)が増加していたそうです。
また、プラセンタを使用した人へのアンケート調査では、倦怠感の解消や肩こり、疲れ目の解消などを上げる人が非常に多いそうです。
プラセンタは着床から出産までの10か月に、受精卵の胚細胞1個を約60兆個にまで増殖させ、人間の身体を作り上げていきます。
そのため、細胞を活性化させアンチエイジング効果があるといわれているんですね。
実際、不妊症に関する学会発表ではプラセンタ療法による卵巣機能改善が増えてきているそうです。
このへんの話はこちらのメディカルパーク湘南のサイトがわかりやすいです。
プラセンタ注射の料金は一回1500円
プラセンタ療法では注射が一般的で、メルスモンとラエンネックという注射薬があります。
どちらも、原料は人の胎盤です。
更年期障害や肝機能障害などに使用する場合は保険適用となり、一回500円程度です。
美容や疲労回復、妊活で使用する場合は自費診療となり、一回1500円程度です。
そこまで高額では無いんですね。
プラセンタ療法は本当に安心・安全か?
プラセンタは人または動物の内臓で、生体組織が原料です。
そのため、感染症や未知の病原体を感染してしまう可能性はゼロではありません。
投与前には、リスクを含めた患者への書面でのインフォームドコンセントが必要であり、同意書を書くことになります。
また、プラセンタ注射薬では、アレルギー体質の患者へは慎重に使用することになっています。
実際に、副作用として5%前後に注射部位の発赤・疼痛があり、さらに少ない頻度で悪寒や発熱があります。
病院で使用されるプラセンタは海外渡航歴や血液検査を実施し、ウイルス等による悪影響がない胎盤を採取し、検査、殺菌処理をして使用しているそうです。
まとめ
中国では昔から漢方などに胎盤が使われており、ヒトの胎盤から抽出したプラセンタは今でも医薬品として扱われています。
まだまだ効果がはっきりとしていないプラセンタですが、不妊治療クリニックでもプラセンタ療法を取り扱うクリニックも増えてきており、「プラセンタを初めてすぐに体外受精が成功した」などの声も増えてきているようです。
飲み薬やサプリもあるので、気になる方は挑戦してみてもいいかもしれません。
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