体外受精をしていると最後の行程となる移植
採卵して受精して、最後の最後に子宮に戻すのが移植です。
妊娠に直結する行程だけに、とっても重要ですよね。
私自身、子宮内フローラを整えたらいよいよ移植日になるので緊張してます。
移植当日に摂取すべき栄養素
移植当日は絶対安静や入浴禁止など、かなり気を使います。
そもそも、受精卵が子宮内に確実に戻ってきている訳で・・・
なるべくお腹に力を入れないように、振動を与えないように、気が気ではありません。
ただ、あまり気にしすぎも良くないらしいのですが、食べ物は特に気を付けたいですよね。
移植当日や移植前日に摂取した方が良い栄養素はなんなんでしょうか?
ビタミンDが着床を助ける
ビタミンDは着床率を高める効果があることがわかっています。
ビタミンDはは骨の成長促進作用や、血中カルシウム濃度を調節する役割がありますが、近年は受精卵の着床に関連するビタミンとして妊娠に関する効果で注目されています。
2019年にイギリスで発表された論文では、500名の女性の血中ビタミンD濃度と妊娠(出生率・着床率・妊娠率)について調べたそうです。
結果は、出生率はビタミンDが不足しているグループは23.2%だったのに対し、ビタミンDが充足しているグループは何と37.7%
着床率や妊娠率に関しても同様に、ビタミンDが充足しているグループがそれぞれ最も高い成績(48.1%、41.6%)で、ビタミンD欠乏のグループを15%以上も上回ったそうです。
つまり、ビタミンD不足の人がビタミンDを取ると着床率が15%も上昇するということです。
15%はすごいですね。
亜鉛は生殖機能を高める
お次に紹介するのは亜鉛
亜鉛は生殖機能を正常にする働きがあるとして、当ブログでも何度も紹介していますね。
ここで注意したいのが亜鉛自体に着床を手伝う効果は無いということ
ただし、銅が着床障害を引き起こすことがわかっています。
そのため、こちらの記事で書いたように銅と拮抗関係にある亜鉛が不足すると体内の銅が増えてしまい、着床を阻害することになるんです。
乳酸菌は子宮内フローラを整え着床を助ける
最後に紹介するのは乳酸菌
子宮内に存在するラクトバチルス属は子宮内フローラを整え、着床を手助けしてくれます。
そのためラクトバチルス菌などの乳酸菌が含まれた食材を食べたりすると効果はあるかもしれません。
実際に私も移植直前まで乳酸菌入りのタンポンを子宮に入れて生活するように指示されました。
移植当日に食べるべき食べ物
ビタミンD、亜鉛、乳酸菌(ラクトバチルス属)と着床を促進する栄養素がわかったところで、実際にどういった食事やサプリを取ればよいのでしょうか?
ビタミンD、亜鉛、乳酸菌を含む食材
それぞれの栄養素を含む食材は次の通りです。
ビタミンD
ビタミンDは魚やキノコに多く含まれています。
また、陽の光を浴びると皮膚で生成されます。
ちなみに、ビタミンDは妊娠するためには8.5㎍必要とされていますが、日本人の平均摂取率は6.6㎍
足りないんですね。
ビタミンDが多く含まれている魚の代表はメカジキ、サーモン
キノコ類ではブラウンマッシュルーム(クレミニ)、ポータベロ、まいたけ、そしてホワイトマッシュルームだそうです。
他には牛乳やヨーグルトにもビタミンDは含まれているそうですよ。
メカジキとキノコでバターを使ったホイル焼きなんかが良さそうですね。
亜鉛
亜鉛はビタミンDよりも意識しないと不足しがちな栄養素です。
やはり、30~49歳の女性において銅の摂取量が多く、亜鉛摂取量が低いことがわかっています。
ビタミンDもそうでしたが、食生活の変化が日本人の不妊率の上昇につながっているのかもしれませんね。
さて、亜鉛が多く含まれている食べ物ですが、魚介類や肉類、豆類に多いです。
特に牡蠣は圧倒的に多いですね。
肉類ではレバーや赤身肉に多く、確かに近年は鶏のササミなど赤身よりもさっぱりした肉類が人気のような気がしますね。
他には油揚げやカシューナッツなどにも多いですが、亜鉛は特に意識して摂る必要がありそうです。
乳酸菌(ラクトバチルス属)
乳酸菌はやはりヨーグルトや乳酸菌飲料で摂るのがおすすめです。
他にはぬか漬けなどの発酵食品にも含まれています。
ただ、多くの乳酸菌は体内ですぐに死滅してしまい、子宮内に届くことはありません。
そのため、子宮内に直接届けるタンポンが治療で使われるんですが・・・
ですが、まったく可能性が0ということも無いですし、体内の環境を整えることは重要だと思います。
ラクトバチルス属の乳酸菌が含まれているのは、代表的なのはヤクルトでしょう。
シロタ株という言葉を聞いたことがあると思いますが、正式名称はラクトバチルス・カゼイ・シロタ株でラクトバチルス属なんですね。
他には免疫力を高めるヨーグルトとして有名なR-1ヨーグルトでしょうか。
R-1というのが菌の名前なんですが、こちらはラクトバチルス・カゼリOLL1073R-1株というんですよ。
科学的根拠のないもの
最近はSNSなどで移植当日に食べると妊娠すると言われる食べ物が結構あります。
不妊治療をしている人は様々な情報を得るので、こいうった話も耳に入ってきます。
例えば、パイナップル
パイナップルの抗炎症作用が着床に良いとされていますが、医学的な根拠はないそうです。
後は、マック(マクドナルド)のポテト
こちらもただのジンクスですね。
油で揚げたポテトが着床に良いということは無いでしょう。
他にも、ワタリガニのパスタと言ったものもありました。
実際に私も食べましたが、医学的根拠はないそうです。
ワタリガニは名前が縁起が良さそうなのと卵をたくさん抱卵するからジンクスになっているみたいですね。
ただ、甲殻類に含まれているアスタキサンチンは抗酸化作用が高いのは事実です。
まとめ
胚移植となると、いよいよ妊娠まであと少しです。
当然、緊張もしてしまいますし、やれることはやりたいですよね。
移植前日や当日、移植後に摂取すべき栄養素をまとめてみましたので、移植に臨まれる方は参考にしてみてください。
私も次回はいよいよ移植なのでビタミンDと亜鉛と乳酸菌、意識してみたいと思います。
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