里親登録をすべく、研修を受けていますが、コロナで長い間待ちとなっていた施設実習に行くことができたので、実習の流れと感じたことなどをご紹介します。
ちなみに、東京都で研修を受けているので東京都の場合です。
里親認定前研修の施設実習の流れ
まずは、施設実習の流れ
施設実習先の決定まで
2日間の座学講義を受けて出席証の集合研修のところに終了印が押された人は、次は施設実習になります。
出席証などがまだ届いていない人は、少し待つか、研修元に問い合わせてみましょう。
必要な手続きがすべて完了した人は、おそらく里親の登録をしている団体(養育家庭の会、里親会など、以下「養育家庭の会」とします)から電話連絡があるかと思います。
電話では「〇月〇日と〇日に施設実習の受け入れ可能先が出ましたが、どうですか?」などと聞かれます。
事前の講義研修の時に希望曜日などを伝えているので、一応、希望に沿った形で調整してくれています。
受け入れ先は様々で、私は児童養護施設でしたが乳児院などの場合もあります。
予定日が都合がつかなければ正直に言えばいいですし、他の候補先を調べてくれたりもします。
大体1か月以上先で調整されるはずです。
〇月〇日ならどこどこ、〇月〇日ならこちら、などと複数の候補を教えてくれることもあります。
交通費などは一律支給なので、近い方がアクセスもしやすくいいと思いますが、生活圏内だと嫌だという人は少し離れたところを選ぶといいでしょう。
コロナ禍で受け入れが急遽中止になることもあるので、それはしょうがないですね。
私も一度実習5日前に中止の連絡が来て延期になりました。
施設実習当日まで
受け入れ先が決まったら、事前の準備です。
まずは体調管理
子どもたちと触れ合うことになるので、腸内検査とPCR検査を受けます。
腸内検査は普通の検便ですが、料金は定額小為替で同封するなどちょっと手間です。
結果が来るまで時間がかかるので2週間以上前に検査するといいでしょう。
PCR検査は時間が経つとあまり意味はないのでなるべく直前で
大きな駅にはPCR検査場があり、自治体によっては無料で検査可能です。
最近では検査ルームも空いていて、私が行った時もガラガラでした。
検査結果は陰性証明書を発行してもらうと料金がかかりますが、メールで結果を送信するだけなら無料で、メールで構いません。
結果が送られてきたメールをプリントアウトすればOKでした。
後は実習2週間前から体温の計測です。
チェックシートが送られてくるので、記入します。
新型コロナの感染状況などにより、この辺は変わる可能性があるので最新の案内を良く見ておきましょう。
案内は実習先が決まってから郵送されてくると思います。
実習1週間前くらいになると腸内検査の案内とは別で、細かい案内が来ます。
担当者の名前や施設実習の時間割、エプロンや運動靴、保険証の写しなどの細かい持ち物などが書かれています。車で行けるかどうかとかも書いてあるので、よく読んでおきましょう。
ちなみに我が家は妻は保育士のため実習が免除で、夫のみ参加です。
施設実習当日 レクリエーション
実習当日は腸内検査、PCR検査の結果、体温のチェックシート、講義の修了印が押された出席表を受け入れ施設に提出します。
検査結果などは事前に郵送することになっていましたが、腸内検査の結果が届かず、問い合わせたところ、陰性であれば当日持って来てくれればいいとのことでしたので、私は当日になりました。
施設に着いたら受付を済ませ、まずは応接室で簡単なレクリエーションでした。
施設内では男子、女子、幼児に分かれて、それぞれ5,6人くらいのグループになって共同生活をしていること、今回実習で入るのは男子のグループで小学生から高校生までいること、中には軽い障害のある子もいること、などなど、施設の概要や実習先について教えてくれました。
大体15分くらいですかね。
施設実習 実習開始
レクリエーションが終わったら、実習先のグループに連れて行かれ、担当の職員にバトンタッチ
土日の実習で休日だったので、子どもたちは自由に過ごしており、リビングでは小学生はテレビゲームを、中学生はマンガを読んでいました。
まずはそのグループの担当職員に連れられて職員室へ
施設ではリビングを中心に子どもたちの個人部屋とトイレやお風呂などの共用部、そして職員室があります。職員室にはパソコンやロッカーがあり、子どもは入室不可
ロッカーに荷物を置いたら、後は適当に過ごします。
とは言え、保育園や学校と違って、子どもたちはここで生活しています。
今日は土曜日で休みなので、みんなマンガを読んだりご飯を食べたりして寛いでいます。
邪魔するのも良く無いですし、大人しく子どもが遊んでいるの見ていました。
ゲームの時間は決められていて、時間が終わった小学生などは積極的に遊ぼうと絡んできてくれて、そこからは子ども遊んでました。
外で鬼ごっこをしたり、レゴブロックで遊んだり、サッカーやバドミントンもしました。
それから、生まれて初めて肩車やおんぶもしましたね。
子どもたちの方が慣れている感じがして、ほんとに助けられました。
中庭が園庭になっていて、そこで遊べるのですが、そこには女の子や幼児も来たりして色々な子どもと触れ合うことが出来きます。
中には子供同士でケンカになることもあり、泣いてしまう子供も・・・
最初はどこまで踏み込んでいいかわからず、遠慮がちでしたが、施設の職員さんの対応なども見ながら、徐々に対応できるようになった気がします。
施設実習終了
実習二日目になると子どもたちの名前も覚えて、かなりなついてくれていました。
一緒に遊ぼうと声をかけて来てくれたり、○○君が玩具を貸してくれない、とか助けを求めて来てくれる子どももいました。
中学生以上の大きい子も少しづつ話してくれるようになってきたところですが、もう実習は終了
10時から16時が実習時間だったんですが、15時には上がり、最初の応接室で振り返りの面談
面談と言ってもざっくばらんに感じたことを話したり、施設側が困っていることを逆に聞いたりする感じです。
それが終われば出席票に修了のサインをもらい、実習はめでたく終了
振り返りの感想をA4一枚で書くので、そのあと残って書いて、施設に提出
これは後日書いて郵送でもOKでした。
施設実習を終えて感じたこと
実習の流れでも書いたこともありますが、施設実習では色々なことを感じました。
子どもたちは逞しい
児童養護施設にいる子どもたちは、何らかの事情があり両親と暮らせない子どもたちですが、みんなとても逞しく、しっかりと生きていました。
むしろ、この年でしっかりと共同生活をしており、ゲームは時間を守って順番に、使った食器は自分で片すなど、中々できない子どもでも多いこともルールを守って生活していました。
それに、小学校低学年の子が自分の部屋で一人で寝ているというだけでも立派です。
各グループには親代わりになる職員がいますが、あくまでも仕事であり、毎日同じ人と言う訳でもありません。
そんな中でも子どもたちは色々なことを考え、学んでいる様子で感激しました。
家庭での養育の必要性
子どもたちが施設でもしっかり育っていて逞しいと感じた半面、家庭でなら当たり前に経験できることを経験できていないとも感じました。
施設では共同生活が原則なので、一人で買い物に行くこともできません。
普通の家庭なら、小学生の子どもなら親と一緒にスーパーに行くこともあると思いますが、施設の子はスーパーに行くということはめったに無いです。
他にも、普通の家庭なら両親が家でお酒を飲むこともあるかと思いますが、施設ではお酒を飲む大人はいません。酔っぱらった大人を見る経験なんかも施設の子ではできないんです。
幼児期から施設にいる子どももいて、施設での暮らしがその子の常識になっていきます。
施設の努力
児童養護施設というものがどういったものか知ることができたのも大きな収穫でした。
家庭に近い環境でという施設側の努力もあり、遊園地へのお出かけや共用の玩具の購入など様々なことを考えてやっていました。
子どもたち個人個人の児童手当は基本的に子どものお小遣いになるので、職員が管理し、お小遣い帳は本人に付けさせて、買い物に行ったりもしていました。
ただ、小学生から高校生、大学生までが共同で生活しており、お出かけ先も全員が楽しめる場所というのは中々ありません。
習い事なども自由にやるという訳にはいかず、施設での生活にも制限があることを知れました。
更に、施設を出た後の子どものフォローもしており、学校を卒業して働いて自立してからも定期的に連絡して様子をうかがうなど、フォローしていて、本当に大変な仕事だと思いました。
帰る実家の無い子どももいるので、働いて一人暮らしを始めたばかりの寂しい時期でもなんとか子どもの拠り所になるように、と
今まではざっくばらんに親が育てられなくなった子どもを預かって育てる施設、くらいにしか思っていませんでしたが、児童養護施設というものについて詳しく知ることが出来た有意義な実習でした。
まとめ 今後の事
元々は不妊治療で実子が出来なかったことから興味が出てきてスタートした里親登録
そのため、新生児の特別養子縁組を第一希望として考えていましたが、実習を終えてみて、施設にいた子どもたちにとって、少しでも家庭の温かみや家庭で学べる事を伝えられて、人生にプラスになるなら特別養子縁組や新生児にこだわらなくてもいいのでは、とも思うようになりました。
短期間の里親やフレンドホームなど様々な制度がありますしね。
受け入れてくれた施設も、またいつでも遊びに来てと言ってくれたので、今度は夫婦で見学に行ってみようかと思います。
2日間、慣れない子どもの相手で疲れた部分もありましたが、とても有意義な実習でした。
受け入れてくれた施設と子どもたちには改めてお礼を伝えたいと思います。
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