不妊治療、体外受精で生まれた子は自然妊娠となにが違うのか

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当然、お腹の子は体外受精で生まれた子という事になります。

そのことを隠すつもりもないし、これだけ強く望まれて生まれてきたとうことには誇りを持ってほしいくらいですが、実際に体外受精で生まれた子は自然妊娠で生まれた子と違いがあるのでしょうか?

受精卵を一度凍結するという過程を経ているので、影響が無いとも言えない気もしますがはたして・・・

体外受精で生まれた子どもは自然妊娠の子と違うのか?

医療が進歩し、晩婚化が進んだことによって不妊治療を受ける人が多くなりました。

その結果2019年には体外受精で生まれた赤ちゃんが6万597人にもなり、なんと14人に1人が体外受精で生まれたことになるそうです。

これだけ不妊治療をする人が多いと、不妊治療で産まれた赤ちゃんの成長は気になるものです。

人工授精の場合はほぼ自然妊娠と同じなので、体外受精や顕微授精の高度生殖医療(ART)で産まれた赤ちゃんの成長についてまとめてみました。

先天的な異常の確率は変わらない

まず、親が一番気になるのは先天性の異常ではないでしょうか。

例えば有名なダウン症

ダウン症の原因は染色体の異常で、卵子や精子が作られる際に何らかの原因で染色体に異常が生じた場合に発症します。

年齢が高くなると発症するリスクが高まることが知られており、卵子や精子の質が大きく影響しています。

そのため、体外受精か自然妊娠かは関係なく、実際の確率も同じです。

これについては六本木レディースクリニックさんの「体外受精での妊娠はダウン症の確率が上がる?」で良くまとめられています。

また、こちらのフェニックスアートクリニックのHPにまとめられている、30万人の赤ちゃんを対象にしたオーストラリアの論文では体外受精児の先天性異常は8.3%、自然妊娠児の先天性異常率は5.8%と体外受精の方が1.24倍高い結果になったそうです。

さらに体外受精を細かく分けるとIVF(ふりかけ法)では1.07倍、ICSI(顕微授精)では1.57倍と顕微授精での異常率が高かったようです。

ただし、この論文では過去に体外受精を行ったことがあるが自然妊娠した人も1.25倍、体外受精歴は無いが不妊歴がある人では1.29倍とそれぞれ異常率が高かったそうです。

このことから、体外受精に問題があるわけではなく、もともと不妊体質の人ほど異常が出やすいのではないかと予想されます。

こういった体外受精(不妊治療)と胎児の異常リスクは様々なことが言われていますが、実際にはそれぞれのケースの背景なども違いますし、純粋な比較が難しいです。

元気に産まれてくる赤ちゃんも多く、不妊治療で産まれたかどうかはあまり関係ないと思います。

体格は同じだが出生時は小さい

8万人を対象に調査したノルウェーの論文によれば、ARTで産まれた子どもは身長が低く、体重が軽い傾向があったそうです。

身長では-0.4㎝程度、体重では-110g程度と軽微ですが、小さくて軽く産まれるのかもしれません。

その後の成長ではARTで産まれた子どもの方が、自然妊娠の子よりも成長が急速で、7歳までは体外受精で生まれた子の方が身長が大きいみたいですね。

その後は徐々に差は無くなり、調査終了となる17歳時点では違いは無くなったようです。

特に新鮮胚移植で産まれた子よりも凍結胚移植で産まれた子の方が生後2歳くらいまでは身長も体重も大きく成長しています。

ただし、自然妊娠であっても妊娠まで期間がかかった夫婦の子は体外受精で生まれた子と同じような成長だったようです。そのため、不妊治療が原因というよりは、妊娠しやすいかどうかという両親の体質の影響かもしれません。

このノルウェーの論文は亀田IVFクリニック幕張のHPで紹介されています。

昭和大学DOHaD般の「生殖補助医療で生まれた児の長期予後」によれば、動物実験では体外受精・胚移植で生まれたマウスは成長パターンが自然妊娠で生まれたマウスと異なるようです。

しかも、性別による違いや培養液の種類などによっても違うというから驚きですね。

人の受精卵(胚)でも培養液により遺伝子発現が異なることが判明していますし、培養液の合う合わないで体外受精が成功しやすかったりしにくかったりするという話は不妊治療をする人の間では結構有名な話です。

何か関係があるのかもしれません。

精神的な発育には影響はない

身体の成長については若干異なるという考えを紹介しましたが、精神的な発育には差異は無いようです。

エコチル調査千葉ユニットセンターと千葉大学予防医学センターが78,000組の親子のデータを調査した結果によれば、たしかに不妊治療で生まれた子供は発達の遅れが見られたそうですが、それは両親の年齢による影響で、不妊治療による影響ではないということでした。

詳細はこちらの記事

世界で最初に体外受精で生まれた人も自然妊娠してお母さんに

体外受精で一番最初に生まれた赤ちゃんは1978年のイギリスで産まれた女性で、44歳の現在も元気に暮らしているそうです。

それどころか二人の赤ちゃんを自然妊娠で授かっています。

彼女の妹も体外受精で生まれた子ですが、この人も自然妊娠で元気な赤ちゃんを産んでいます。

ちなみに、顕微授精はもう少し後、1989年にシンガポールで誕生したのが最初の赤ちゃんです。

体外受精で生まれた子は赤ちゃんを産めないなどという事はまったく無く、元気に暮らしているんですね。ただし、世界で一番最初に体外受精で生まれた人でもまだ40代ですし、比較的新し治療法であるのは間違いありません。

まとめ

体外受精自体が新しい治療法なので、まだわからない部分もありますが、現在では体外受精でも顕微授精でも自然妊娠で生まれた子供と変わらないというのが一般的な考えです。

様々な研究の結果の中には若干の違いが認められるものもありあますが、不妊治療をしたからというよりも、親の年齢による違いという結論になっています。

不妊治療をする人は若い人よりも高齢の人が多いので、その影響から子どもにも影響が出ているケースがほとんどいう事ですね。

もちろん、自然妊娠で授かることが一番ですが、赤ちゃんの病気や発育を懸念して不妊治療を戸惑うようなことはする必要は無いと思います。

私たちも特に気にすることなく子育てする予定です。

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