体外受精に挑戦すること11回
ここまで一度も胚盤胞に育つことなく、着床もしていません。
さすがにおかしいということで、より詳しい遺伝子レベルでの検査を行うことを進められました。
そして行った精子DNA断片化検査でしたが、こちらの結果は異常なし
残るは染色体異常を判別する遺伝子検査ですが、やるかやらないかはよく考えるように先生からは言われています。
胚盤胞にならないのは染色体異常の可能性あり
私たちのように胚盤胞に育たなかったり、着床しなかったりするのは染色体異常の可能性があるそうです。
特に、着床しにくかったり、着床してもすぐに流産を繰り返してしまう不育症の人に多いようですね。
染色体異常による不妊とは
染色体は遺伝子が入っている箱のようなもので、私たちヒトは通常46本の染色体を持っており、そのうち44本は常染色体と呼ばれ、2本は性染色体と呼ばれます。
性染色体にはX染色体とY染色体があり、女性はX染色体を2本持っていて、男性はXとYを一本ずつ持っています。
本来2本(ダイソミー)のペアである染色体が1本(モノソミー)や3本(トリソミー)になってしまったり、すべて3本になって合計69本の染色体になるのが数的異常と言われており、ある染色体の一部がほかの染色体にくっついてしまっていたり(転座)、一部が無い(欠失)、一部が2重に存在していたり(重複)するのが、構造異常といわれています。
染色体の病気として有名なダウン症では、21番染色体が3本になっています。
染色体異常は流産になりやすい
卵子、精子に染色体異常があるとかなり高い確率で流産になります。
染色体は人間の身体をつくるために重要なもので、これに異常があると細胞レベルでも生存が困難なため、ほとんどが産まれることなく流産になってしまいます。
流産と診断されたもののうち、50~70%が染色体異常を伴うとされています。
逆に言うと、無事に成長する受精卵は染色体異常が無い確率が高く、妊娠第1 三半期の流産では55%、第2 三半期の流産・死産では35%,第3 三半期の死産では5%が染色体異常を伴うとされ、受精卵が成長するにつれて、染色体異常である可能性が減ってきます。
無事に産まれてきた新生児では染色体異常の可能性は0.4%程度まで下がるそうです。
染色体異常の検査はするべきか?
染色体異常があると流産の可能性が高くなるということで、不育症の人に染色体検査が進められる場合があります。
検査は簡単で、血液検査で両親の染色体異常がわかります。
染色体検査をしても意味がない?
染色体異常の場合、治療法はありません。
そのため、検査結果で異状が見られてもどうすることもできません。
ただし、「妊娠をあきらめる必要があるか」と言うとそうでもなく、染色体異常(均衡型座礁)でも2/1の確率で赤ちゃんの染色体数は正常となり、1/4の確率で赤ちゃんの染色体構造は正常となります。
そのため、染色体異常であっても70%程度の夫婦が元気な赤ちゃんを産んでいます。
近年では受精卵の染色体を検査する着床前診断という方法で、受精卵に染色体異常があるかどうかを調べる方法もあります。
ただ、着床前診断をしても妊娠の確率は70%と変わらないのが現状です。
染色体の検査を受けるべきか?
日本は不妊治療の件数が非常に多い国です。
臨床試験では体外受精で胚移植を行った胚の約7割に染色体異常があったそうです。
これでは、いくら受精卵を作って子宮に戻しても妊娠しませんね。
染色体異常は治療法もなく、異状があっても妊娠はできることから、検査を受けない人もいます。
検査を受けることで精神的なダメージがあるので、それなら検査しないという選択肢もあります。
検査結果についても、告知の方法は夫婦それぞれの結果を聞く方法や、夫婦どちらに異常があるかは伏せた状態で告知を受けるなどの方法があり、検査前に希望を伝えることができます。
染色体異常が見つかった場合、ほかの家族にも異常がある可能性があることや、子供に遺伝する可能性もあるので、希望通り妊娠できても、検査したい人は早めに検査するといいでしょう。
まとめ
染色体異常には治療法がないことから、お医者さんからは検査は勧められませんでした。
実際に、検査後に異常が見つかり、離婚に至った夫婦もいるとのことです。
異常があるならはっきりさせたい気持ちと、治療もできず妊娠できる確率も今と変わらないならとりあえず体外受精を続けてもいいかも、とも思います。
もう少し考えて、染色体の検査を受けるか決めたいと思います。
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